認知症ケアにおいては、患者が要介護によってどこで生活できるかという選択肢が変わります。例えば要介護の患者の場合には、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホーム、介護型のケアハウスなどの施設へ入居した上で、介護サービスを受けながら生活することになるでしょう。一方、介護のニーズがない患者なら、シニア向けの分譲マンションや住宅型の有料老人ホーム、もしくはサービス付きの高齢者向け住宅や自立型のケアハウスで自立した生活を送ることも可能です。

ただし、認知症と診断されればこれらの施設へ無条件で入居できるわけではありません。それぞれの施設ごとに要介護度の条件が付いていることが多く、満室なら入居したくてもできないということもあるだでしょう。

また、現在は要介護ではなく自立した生活ができる人でも、数年後には要介護となる可能性もあります。施設を選ぶ際には、要介護となった場合に同じ施設に入居し続けられるかどうかという点も考えなければいけません。もしも介護が必要になった時に退去を求められるような場合には、再び施設探しから行わなければならず、時間と手間がかかってしまいます。

看護師という立場で認知症ケアに関わる場合、職場の選択肢は病院の病棟以外に上記のような福祉施設もあります。どこでどんな認知症ケアをしたいのかによって、働きたい職場は変わるでしょう。仕事探しにおいては、施設ごとのメリットやデメリットを考えながら決めることをおすすめします。