認知症ケアの基本として、認知症の患者との接し方が挙げられます。看護師の中にはどう接すればいいかわからないという人もいるでしょう。まず覚えておかないといけないのは、患者は理解力や判断力の低下している可能性が高い点です。ですから、普通のコミュニケーションがスムーズにいかない可能性のあることはあらかじめ認識しておきましょう。
認知症ケアの基本として、できるだけ静かな環境を整えることは大事です。にぎやかな環境だと認知症はほかのことが気になってしまい、会話をしていても話を聞いていない可能性が高いです。例えばテレビがついているのであればテレビをいったん消す、人が多く集まっている場所なら少し離れたところで話しかけるなどの工夫をしましょう。
あと認知症ケアで重要なのは、笑顔で基本接することです。もし厳しい表情をしていれば、患者は「怖そう」「ちょっと近づきたくない」と思ってしまいます。そこで笑顔で話しかけるように心がけましょう。自分に笑顔で接してくれれば、悪い印象は持ちません。また相手の目を見て、気持ちを込めて話しかけるように努めましょう。そうすれば、相手も安心感が得られ話を聞いてくれるようになります。
また声をかける際には、相手の名前を呼びましょう。認知症の患者の中には突然目の前に人が出てくるとびっくりしてしまい、それだけで委縮してしまう場合もあります。ですから名前を呼んで、そして患者の目の前に行けば相手も警戒することがなくなります。